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アペックス便り4月号

小学生高学年までに実践すべき[本当の躾]

小学校も高学年になってくると、自己管理のレベルを上げて子供の自主性に任していくべきだが、親の中には、ついガミガミと口を挟んで干渉し叱責するケースがあるみたいだ。特にこの時期は[反抗期]にもあたり、特に自己肯定感を否定する様な、『あなたはだらしない』『ほんとダメな子ね』『嘘つくなんて最低ね』などの否定的な言葉を浴びせると、子供も失敗を恐れる余りに嘘で隠そうとする悪循環に陥ることがある。

実際、子供が[早起きできない]や[部屋が片付けられない]や[忘れ物が多い]等に遭遇する度に、親がついガミガミと叱責する理由の大半は、親自身が自分のスケジュールを狂わされ子供に代わって手間を増やされるのが嫌なことが多い。それが毎日のように続くと親のストレスも増え子供との関係もギクシャクし兼ねないのだが、この時期に目の余る[子供の改善できない生活習慣]に目くじらを立てるよりももっと大切な[やるべき躾]を見落としてはいけない。実際に、子供が早起きできないのは成⻑と共にホルモンが安定することで[体内時計のズレ]が自然と早起きに修正されるし、だらしないことも大学生や社会人になってから[恥ずかしい][だらしないイメージは損だ]と気付き意識すれば改善できる生活習慣だ。

それよりも優先すべき[やるべき躾]は、【社会性を身に付ける】習慣に力点を置くべきある。要は、子どものうちに「礼儀」「正直さ」「思いやり」といった人格要素を身につけているかどうかが、将来の人間関係やビジネスでの成果を左右する鍵になるので部屋の片づけや手伝いは後から取り戻せても、失った信用や大人になるまでに身につけなかった社会性を後から補うことが想像以上に難しい為、最優先すべきなのだ。社会活動の場面で「信用の重要性」が一番大切なことは言うまでも無い。例えば社会心理学の“初頭効果”では最初の印象がその後の評価に大きく影響することを示唆している。初対面のあいさつで、「この人は礼儀正しくて信用できそうだ」という印象があれば、その後の言動についても肯定的な解釈をしてもらえる可能性が高まるし、反対に最初に失礼な態度をとったり不誠実な言動をしたりすると、後からどれほど優れた成果を出しても、なかなか信用を取り戻せないのが現実なのだ。このような社会性を育むうえで一番大切なのが自己肯定感の増強なのだ。だからこそ、特に思春期以前の子どもは、親や教師などの身近な大人の言葉を自分のセルフイメージとして取り込みやすいので注意が必要だ。単にできなかった【行動に問題が有る】と指摘するのと、お前はダメだと【人格否定】するのでは、受け取るセルフメッセージで自己肯定感に与える影響は全く違ってくる。

しつけの場面で“行動”への具体的フィードバックと“子どもの存在価値”をきちんと区別することが、子どもの自己肯定感を守りながら社会性を伸ばすカギになることが、いろんな研究で報告されている。つまり、子供を[ダメ出し]で躾けるのではなく「こうすればもっと良くなるのでは?」「こういう状態をつくるにはどうすればいいと思う?」という質問を交えた伝え方が効果的と言える。

要約すれば、否定的な言葉ばかりを投げかけると、子どもの自己肯定感が傷つき、正直さが損なわれ、将来にわたって「信用されにくい人間」になるリスクが高まる。「嘘をつかず正直であることはなぜ大切なのか」「相手に失礼な振る舞いをすると何が起こるのか」といった社会性に関わる価値観を、日頃から丁寧に伝えることを最優先し実践すべき[本当の躾]と言えるだろう。今やAI最盛期で、未来は人間に取って代わるAIに戦々恐々とするよりも「AIに代替されにくい能力」にスポットを当てるべきだと、多くの専門家や有識者は指摘している。そんな時代だからこそ、子供に身に付けたさせたいスキルは、【非認知能力】であり、⻑い目線でこの能力を中心に据えた[教育]に投資し、社会的な信用の土台をしっかり育ててあげたいものだ。ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン博士も「非認知能力こそが学業や就労だけでなく、人生の成功を左右する重要な要素である」と断言している。

では、AI社会で必要な[非認知能力]とは何か。

…[次回に続く]

おしらせと今月の予定

記録的な寒波が続き、豪雪地帯はもとより、列島各地はこれまでにない積雪を記録して雪害のニュースが連日報道されていました。慣れている雪国の人々でさえ、除雪に追われる毎日に疲弊しきり、春の到来を心待ちにしている様子が切実に伝わり、雪害の無い大阪の暮らしが如何に有難いか実感するところです。立春も過ぎて、春はそこまで来ています。合格、卒業、入学と慌ただしくなる春に、いち早く新しい息吹きを与え心身共にリフレッシュしてスタートしよう!

進学、進級の新しいスタートが始まりました。新たな目標と希望を持ち、自分の可能性を大発見する年にしよう。

今月の予定
○3月24日〜4月8日…春期講習
○3月31日〜4月4日…受験特訓講座(小6/中3)
○4月26日…第1回全国テスト
●4月29日〜5月5日…休講日(年間調整日)

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