これまでの例に漏れずアペックス能力開発スクールの船出も、苦難のスタートだった。何とか三月の開校に間に合わすことが出来たが、開校時の生徒募集には苦労した。新聞折り込みチラシを地域に三回施し計15万枚のチラシを蒔いてみた。チラシ効果はよく千三つと言われるが単純にその計算なら450人は押し寄せてくるはずだが結果は12人だった。率にして0.008%のレスポンスの対広告効果だった。それでもゼロでなくてホッとした。内訳は幼児10人、小学生1人、中学生1人だった。勿論、生徒の増加が見込まれなければ、赤字部門として本体の利益を圧迫していくのは目に見えている。
採用した幼児部門の講師二人の活躍できる場を何とか提供できたので、生徒の増加を期待しながら良い授業に徹することにした。少なくとも地域に教育の場を提供する以上、相応の地域貢献を果たしたいと願うが、そのバロメーターはやはり[合格実績]に他ならないのが実情である。合格結果で判断されるのが我々の宿命かもしれない。だから、開校当初で一番辛い問い合わせの内容が[合格実績]であった。全くのゼロスタートだから実績など有るわけが無いではないか。
実績が無い以上、我々の提唱する教育理念やシステムに共鳴共感をして入塾して戴く他ないのである。
開校以来、私は朝から夕方4時までアペックス本体の流通部門で奔走し、夕方5時以降から塾⻑として教室で指導と管理に徹する二足の草鞋を履く生活が毎日続いた。
特に流通部門は、売り場の開拓にもチカラを入れて、震災以降激減した取引先を回復させる為に新規開拓の営業に精力的に動いた。なおかつ、嗜好品よりも必需品に商品構成をシフトさせて、リピートと回転率の増加を狙った。何しろ、塾の赤字を補填する為に売り上げ拡大は必須条件で、赤字部門の教室運営が独り立ちするまで続いた。朝の七時から夕方四時まで流通の仕事をしながら夕方五時から夜10時まで教室で指導をして、また帰宅後に深夜12時頃まで、翌日の納品や仕分け準備に追われる日々が3年ぐらい続いた。
若さも手伝って、気力も体力も充実していたので、仕事は全く苦にならなかった。幸い教室運営も、初年度に[小学受験]で我が幼児部の講師陣の努力で全員志望校合格と言う快挙を成し遂げた。
地域に徐々にクチコミが浸透したのか、幼児部を中心に生徒が増えてきた。相変わらず小学生と中学生は少なかったが、デキない生徒にヤル気を起こさせ、奇跡的な成績向上を果たす子が続出したので、そのクチコミで生徒が徐々に増えてくるようになった。私の教室での仕事も年を追うごとにハードになってきた。
昔取った杵柄よろしく、私自身が苦労して得た秘伝の学習法は、ダイレクトに生徒に反映させることで面白いように効果を発揮した。成績向上に比例して進学実績も付随してくるようになった。
そして4年目で、教育部門単体の初めて⿊字化を達成することが出来たのである。まさに石の上にも三年である。
私の二足の草鞋を履く生活は続いたが、次へのステップを考えながら教室運営を模索していた。
五年目に突入する頃に、たまたま⻄区の堀江地区に居る親友との雑談の中で、地区による教育格差が話題になったので、私は何気なくアペックス能力開発スクールのノウハウが⻄区で通用するかの興味を持つようになっていた。
生野区で教室運営をスタートさせたのだが、自営業者やブルーカラーの多い街の生野区の地域性が我が教室にフィットしてきたのか、ホワイトカラー中心の街の⻄区での地域性にもマッチしていくのか、両極端に違う地域性で我が教室が通用するなら、何処でも開設は可能ではないか?との期待を寄せながら、⻄区への教室運営に興味を持つようになっていた。少子化の中で、かつて大阪の中では子供の数が多かった生野区も年々子供が減少しながら学校の生徒規模は縮小傾向にあったのに、⻄区の地域はマンションの建築ラッシュに伴い、堀江の地域スポットの脚光も手伝って、人口増加の傾向が続き、学校もクラス増設を余儀なくされる人気の文教地区になっていた。
交通の便の良い市内に位置して地域の受験熱も高く、実際に中学受験をして進学する子供も多くいた。私は親友に教室開設の意向が有る事を伝え現地情報を貰いながらリサーチをしていたら、早速彼から『古い建物だけど、堀江小学校の前で、テナント募集している物件が出たよ』との情報を貰った。直ぐに現地視察に出掛け確認してみた。
なるほど、堀江小学校のチャイムも聞こえる目と鼻の先で、しかも前には阿弥陀公園があって塾の立地イメージとしてはピタッときたので、善は急げと直ぐにテナント契約をして春からの開校をすることに決定した。やっと⿊字化の目処が立ったばかりの生野区の教室に続いて⻄区の教室を運営すれば、生徒の数にもよるが再度の赤字転落を余儀なくされるのでは、と周囲に心配されたが、日々進化しながら実績も伴うようになってきたアペックスの指導ノウハウにいささかの自信も有って、2教室目の開設に踏み切ってみたのだ。
何より、両極端の地域性の中で生まれる新たな教育ノウハウや、スキルが今後のアペックスの教育コンセプトの礎になると思えたからだ。
堀江教室開校時も、事前にチラシを地域に15万枚蒔いてみた。親友の根回しも手伝ってか3回実施した教育相談会は活況な催しになり、体験学習を予約してそのまま入塾に至った人が大半だった。幼児部門、小学生部門、中学生部門とも定員近い生徒が初年度から集まり、なんと開校の滑り出しから⿊字営業することが出来たのだ。
私一人では小学部門や中学部門を対処できないので、講師を随時募集しながら面接を重ねた。英語、数学、国語の専任講師を4人採用して私が陣頭指揮を執りながら、最善の指導を目指して日夜皆で奮闘努力した。
特に、受験学年は私が責任者として担当し、時間の枠を超えた指導で[志望校の絶対合格]を合言葉に、生徒と一丸となって受験学習に臨んだ。
今ではアペックスでの当たり前だが、[行きたい学校にチカラを付けて堂々と合格する]為の努力を惜しまず、特に受験生は時間の枠を取っ払う[フルサポートシステム]で、受験当日まで可能な限りの学習を積み上げさせた。
お陰で生徒の激変ぶりは顕著で、2ランク、3ランクアップしたチャレンジ受験をする子が大半で、しかも合格という結果を残す子が殆どだったので、クチコミによる生徒が安定的に毎年入塾するようになってきた。
入塾テストでは、生徒のその時点での学力チェックを行い、体験授業で更に性格や特徴を観察しながら最適な学習スタートを施す為のプランを提唱するように今でも心掛けている。
子供の成⻑度合いや、性格や能力はそれこそ千差万別で、誰もが持ち合わせている飛躍的成⻑の為の分岐点を探りながら、根気よく子供と向き合い指導するしか方法は無いのである。そして、子供の成⻑点を見出したら一気に勉強モードに軸足をシフトさせるのである。
その意味で、受験制度を上手く利用して、子供に目的意識と目標設定を明確にさせて、あくまで[可能思考]を貫かせるのである。
主体はあくまで子供自身で、アペックスの合言葉は今でも[後悔の無い受験]と[自分の行きたい学校に進学する]の両輪である。
特に受験生は、二教室間を行き来しながら、互いの教室での交流も活発になりお互いが切磋琢磨しながら受験学習の質を高めていった。
アペックスが提唱する[可能思考]は、日々実践することでより確かに自分の中で芽生え、身に付くのである。たとえ、学校の進路指導と食い違って反対されても、自ら決めた学校への受験を曲げて変更する生徒は殆どいない。
受験学習を通じて、流されずに決断できる自信を培うのである。自分の人生を夢と希望を持って自分で描く素晴らしさを、味わって欲しいのである。本気になれば、自分が変わる。教室での指導は大半がそのキッカケを与えることに全力を挙げるだけである。
[次回に続く]長男が誕生して[教育の大切さ]を考えていた頃、阪神淡路大震災で取引先の消失と大量の不良在庫を抱え倒産の危機に直面したのを機に、教育事業を立ち上げて理想の教育を実践した。赤字続きを何とか持ちこたえ、五年目に二教室目を立ち上げる…
助成カードの申請はお済ですか?
以前から広報した通り、10月より新しく大阪市の塾助成カードが所得制限の撤廃により、誰でも申請すれば受けることが可能になっています。
月に1万円の助成金補助が出ますので、未だ申請されていない方は、オンライン申請も可能ですので急いで申請して下さい。
対象は大阪市在住の小学5〜6年生と中学1〜3年生全員。
今月の予定
○初旬…中/高[中間テスト]
○10日…中学入試/大学入試の100日前カウントダウン
※塾の休校日[年間調整日]
○28日(月)○29日(火)
○30日(水)○31日(木)
注…振替授業を実施するかの有無は直接担当先生の指示に従って下さい
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