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明けましておめでとうございます。平成最後の新年が厳かに明けました。

一年の計は元旦にあり。言い古された言葉の中に、真意をそれぞれが見出し、やはり節目は自己に真摯に向き合い期する想いでみなぎらせたい。振り返った一年と、来る一年になんの変化も、成長も実感できない一年とは決別しよう。時代の変化のスピードに、ただ流されるだけでなく、変化の予兆を察し、目標を立て、勇気を奮って新しい自己の可能性に賭けてみたい。自身の足跡は、歩まねば生まれない。先ずは、新しい一歩が大切だ。歩んだ後に刻む足跡は、未来に続く自身の歴史だ。この世に二つとして無い確かな足跡を、今年もしっかり刻んでいこう。

年も明け、受験シーズン真っただ中だ。子供たちの進路や進学の明暗を分ける大切な時期を迎える。全てを受験の為だけに指導する事を良しとせず、何の為の学力か? 培った学力で何を為さんとするかこそが真髄とばかり日々子供達との悪戦苦闘は続くが、その成果やら答えは一向に掴めない。長い苦闘は未だ未だ続きそうだ。

子供達に伝えたいもの…とにかく学力をつけろ…これに尽きる。但し誤解のないように付け加えると、学力とは「学ぶ力」であり、そのゴールは無い。志と自己実現の為の羅針盤に過ぎない。大袈裟に換言すれば、自己を肯定し自己の存在意義を見出す為の羅針盤だ。

チカラは貰うものでは無い。知力、体力、能力、脳力、胆力、財力、先見力、コミュニケーション力…etc。あらゆるチカラは、自ら鍛え上げ、培うものだ。その源泉が「学ぶ力」だ。志が夢を育て、理想が勇気を奮い立たせ、鍛錬が土台を作り、継続して初めて信念に繋がる。

前の見えない世界に進むのは誰しも不安だ。羅針盤が無ければ、大航海時代も新大陸発見も無かった歴史が、それを我々に暗に示唆する。

長い宗教支配や王政の夜が明け、旧知の世界観が崩れ去った後の科学技術の進歩や、覇権争いに巻き込まれた戦争の歴史を経て、冷戦終結後のグローバル化で平準化された社会の、情報革命の只中の大変革期にあるこの地球で、今最も必要なモノサシが、個々の羅針盤なのだ。

個々の自由度に限りなく制約がない自由社会がほぼ実現した現代社会での羅針盤無き航海は、無謀かつ漂流しかねない危険極まりない航海だ。

何でもできる自由度が、何をしてよいのかわからない不自由へ自分を縛り、身動きが取れないのである。個人の主権が拡大した社会で、機会を待つのは愚で有り、既成概念に範を求めるのは、その骨頂ともいえる。

機会は創出する時代であり、過去のモノサシは通用しない前提に立つ方が自然である。「学ぶ力」＝ 羅針盤の精度を高め、いつか必ず来る、来るべき出航に備えて、日々の研鑽を重ね続けるのだ。自分の新大陸発見への航路に確信が持てたら、船出せずにはいられないハズだから…。

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