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アペックス便り2月号

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新しい年が明け、いよいよ受験シーズンに突入しました。大学の共通テストが実施された初日には、沿岸各地で津波警報が発令され、避難を余儀なくされた受験生や、あろうことか東大会場では、高校生による無差別傷害事件が起こり、混乱極まる幕開けとなりました。津波警報は、トンガ諸島の海底火山の爆発による空振が原因とされ、気象庁も地震での予兆の無い津波の説明に慌て、引き続き要警戒レベルが続く様だ。通り魔事件は、超進学校の現役高校生による、成績不振を理由に自暴自棄から及んだというから、身勝手極まりない行為だ。

異例の自然災害が続き、長引くコロナ禍で人心も不安と抑圧で限界に来ている鬱々とした様相に終わりは無いのか。夜明け前が一番暗いとも言う。薄明り始めると一気に夜は明ける。一説によれば、感染爆発しているオミクロン株も弱毒化への変異を経て、インフルエンザのレベルになる過程とか。この説が薄明りの説である事を願うばかりだ。

『読書』のチカラ 〜経済力の学力格差を乗り越える〜

家庭の経済格差が子供達の学力格差に繋がると言われて久しいが、裕福で無くとも諦めるのは未だ早い。読書習慣を持つか否かで、子供たちの将来を大 きく左右する事が分かってきて「経済格差」や「遺伝」より「本のある環境」が勝 る、という心理学者の榎本博明氏による寄稿の記事を目にしたので、以下に要約してみたい。氏も、裕福な家庭の子供ほど様々な教育機会が与えられ、有利な高学歴と高収入を得るという相関関係は否定せず、むしろグローバル化の社会階層による経済格差の急速な拡大に並行して、子供達の学力格差も拡大しつつあることは認識しており、所謂「親ガチャ」に例えられる若者自身の諦めムードや、子育て最中の若い世代に、 A I(人工知能)社会の未来に対応できる超優秀な人物以外は、適応出来ない社会の到来への不安が拡がっている事も指摘している。だが、親や子も諦める必要は無い、と。たとえ、経済的に恵まれてなくとも、「読書のチカラ」で乗り越えられると力説する。

簡単に「読書のチカラ」というが、「読書環境」のパワーに置き換えて考察すると分かりやすい。最近、特に顕著に指摘されているのが、読解力の低下だ。難解な文学作品どころか、実用文さえきちんと理解しないまま義務教育を終えている生徒が激増している現実が有る。読解力の差は歴然とした学力差に繋がる。教科書を読んでも理解出来ない語彙力では、当然先生の解説も理解し難い筈だ。読書量と語彙力には、明らかな相関関係が有り、読書経験が語彙力を高める事は科学的に実証されている。特に二歳以降の読み聞かせに拠るコトバに触れる機会の多い読書習慣は、知的好奇心の促進や本好きになる契機になり易い。こうして後々、読書を楽しみ語彙力、読解力を高めスムーズに知識や教養を身に付ける子に育ちやすい。子供にゲームを与え、親がスマホばかり触っている場合ではないのだ。先ず親が書物に親しむ環境が大切だという。

実際、学歴や収入が低くても蔵書数が多ければ学力が高い、という調査報告が有り、子供は知らず知らず親を真似るものであり、親自身が身を持って示す方が効果的で有り、親のモデリング効果は心理学でも実証済みの様だ。

親の読書意識と行動の差が、間接的な学力差になり得るのだったら、たとえ親に社会的地位や学歴にハンディがあっても、世代間伝達の環境要因を用いて子供の学力支援が可能であり、格差社会を乗り越える「読書のチカラ」を最大限に活かすべきだ。蔵書が少なければ、図書館に行けば良い。巣ごもり生活の続くコロナ禍は、読書に最適な環境だ。本来「学ぶ」とは独り書を読み耽ることから始まり、様々な読破によって、少し知見が得られる謙虚な行為でも有り、人間の終わりなき知的好奇心を満たしてくれる唯一の手段と思うのだが…。

おしらせと今月の予定

※オミクロン株拡大中!感染予防強化!
受験シーズンに入り、感染力が強いオミクロン株が急拡大中です。
3密を避け、手洗いやうがいを徹底させ、不織布マスクを必ず正しく着用下さい。
37度を超える発熱時は通塾を控え、様子を観てください。
受験生の努力に応援出来る様、感染予防を徹底下さい!

今月の予定
○1/29日…全国テスト
○2/7〜18日…成績懇談会
○2/19日 現中2生対象親子
進学説明会…巽教室PM6時

合格おめでとう!!
◆大阪教育大附属平野小学校
R・Hくん

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