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梅雨空が続くジメジメした頃、遠く離れたロシアの地で、４年に一度のサッカーの祭典=ワールドカップが連日、熱戦を繰り広げられ、強豪国の予想外の苦戦や世界の一流選手の超華麗な技に驚き、寝不足と戦っている諸君も多いのではないでしょうか…。監督の直前交代やピークを越えたベテランばかりの布陣と揶揄されて臨んだ日本チームの意外な健闘ぶりに、連日のマスコミ報道も過熱さを増し、にわかサッカーファンが増えた列島のサッカー熱のボルテージが上がる一方とは、現金なものである。

４年に一度のチャンスを、死に物狂いで掴んだ選手の一瞬のミスも容赦しない酷評や、対照的に自国の勝利へ貢献した選手への賛美との混沌の中で、ひたむきに勝利の為だけに、全力で死闘を繰り広げる各国の選手達に喝采を送りたい。純粋に夢を追いかけ実現させたアスリート達の４年に一度の夢舞台での競演に、固唾を呑んで、本物だけが醸し出す戦う美に酔いしれながら、我々も一瞬のチャンスを掴む為に、日々の努力を重ねたい…。

6月に歴史的な米朝首脳会談が実現した。トランプ大統領とキム委員長の両首脳の会談を、半年前に誰が予想しただろうか?

軍事衝突すらシミュレーションされた緊張を考えれば、無理もないが、ここで大切なのは、この二人だからこそ実現したかも知れない事実だ。過去半島に休戦ラインが敷かれて以来、大国の狭間での分断の悲劇を、体制の相違で対話の機会すら持たなかったのは、冷戦下の常識であったり体制維持の固執が邪魔なのか、お互いを相容れないバイアスを掛けて想定する姿勢そのものだ。そのバイアスを外す勇気が、新しい展開を生むのかも知れない。確かに、この常識ってやつは、実に厄介だ。

我々も安定や安心を求めるが故に、常識に囚われて身動きできない事がよくある。〇△だから云々、皆がするから云々、昔からそうしてきたから云々等…、実は根拠や原因も追究せずして判断、行動することがよくある。しかし、そこからは何の変化も感動も生まれないことも知ってしかるべきだ。

そもそも、想定内の判断の行動規範が新しいものを創造する訳がないし、ましてやワクワク、ドキドキする感動も生じないではなかろうか…。変化し続ける事が進化に繋がるのは、我々の遺伝子に組み込まれている宿命かも知れない。ただ、そうあるためには、勇気も要るし、何より未知に対処すべく力が不可欠なのも事実だ。だから、人は委縮し常識の観える範囲で行動するのだ。逆説的に考えれば、常識や想定を外して行動して初めて未知との遭遇が有るのだ。未知だからマニュアルは存在しない。あくまで自己の培った力や、智恵で対処するしか切り開けない。ただし、想定が無い自由が有る。常識の無い新鮮が有る。

米朝の両首脳は未知の扉を開けた。想定の無い非常識で新境地を開く事を期待をしながら、我々も常識を外す勇気を持ち未知との遭遇に翻弄されない力を日頃から培い、臨みませんか?

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