アペックスを設立して、今年で36年が過ぎた。教育事業に参入して、ちょうど30年の節目になる。思えば二年前の入院を機に自分を振り返り、自身の潜在する可能性を模索しながらこれまで生かされてきた命の残す[正しい使い道]を探求できれば幸いと、書き綴ってきた。そして一度きりの人生を後悔無く全うする為の道標を求めて、私の中での[新大陸]を探し続ける航海は未だ続いている。思い返せば、いろいろな出来事が鮮明に蘇る。
まるで昨日の出来事のように蘇るのは、嫌な出来事も辛いことも乗り越えたからこそ、良き思いでとして昇華したのかな…というのが実感だ。
何度も直面した[もう、アカン]という時に不思議と救いの手が差し伸ばされ、不思議な出逢いと巡り合わせにより、私自身も底知れぬパワーが内から溢れて、気が付けば窮地を脱出できていたことが殆どだった。そして、何よりも想いの強さが実現するということに尽きるのではないか…と思える。それは良いことも悪いことも、人間は思いを源泉に行動意識に移行させ実践する結果だからと思われる。その意味で、欲望の使い方も重要になってくる。
欲は行動エネルギーの源泉だからだ。しかも動機が[善]で有るならば、その大義の為に多少の苦労や自己の不利益も厭わず邁進できるものだ。そして、どんな苦境に立たされても、希望を持って諦めず継続することだ。大義と信念が有れば何とかなるものだ。そして何らかの社会的存在意義、つまり[お役に立てる]ことができれば、生かされることで存在できるといえる。その意味で私は、流通も教育も[アペックスの代替の無い]存在を目指す[オンリーワン]でありたいと願ってきた。特に、教育に携わってから私の事業スタンスは大きく変化してきた。学校などの公的機関ではないところの私塾の果たす役割とは何ぞや?と常に自問自答する毎日である。単に進学や受験の一助を担う教育の場ではなく、地域に無くてはならない存在でありたいと願い、教育を介して子供たちの成⻑を見守る居場所ならぬ[寺子屋]なのだ。実際にいろんな子供たちと出逢い、そしてその成⻑過程の中で喜怒哀楽を共にしながら、人生の節目の受験や進学と立ち合い、導き、そして子供たちの大きく成⻑する姿を見守るのである。
堀江教室の開設後、さらに3教室目、4教室と拡大する目標を軌道修正し、私は2教室の運営に専念することにした。直接子供たちと交じり密接に付き合い、[寺子屋]の塾⻑として責任ある指導と管理するには物理的に2教室が限界だ。なにより直接受験生を指導して進路を見届ける仕事が好きで現場にいることが好きだからだろう。そして、子供たちの成⻑を見守ることが楽しみで仕方ない。
アペックスに通塾する子供たちは総じて在籍年数が⻑い。それこそ、幼児から大学受験まで通塾した生徒も多く、またそのような生徒の進学先の大半は国公立大学で、そのまま4年もしくは院卒の6年間をアペックスで後輩の指導をする講師として在籍するので、実に15年以上の付き合いをする勘定だ。嬉しいことに、毎年いろんな卒塾生が近況を報告に教室にやってくる。勿論、近況を報告に来るということは、成⻑し続ける姿を私に見て欲しいに他ならない。中には子連れで来る者もいるので、すっかり孫と会ったようなお祖父ちゃんのような気持である。可能性に満ち溢れている⻘春の時期にまっすぐに未来を見つめ葛藤苦悩しながら自己の進路を決め、一心腐乱に努力する姿を誰よりも見てきた私への御礼をしに、改めて私を思い出して駆けつけてくれるのだ。有難いことだ。こちらこそ素晴らしい子供たちと過ごさせて貰えて感謝の一言である。30年前に初めて教室を立ち上げる前夜、明け方まで準備に追われ薄っすらと日が昇り始めるときに、教室の看板を眺めながら自分に宣誓したことが昨日のように思い出される。
『教育に携わる以上、自分の都合で教室を閉める訳にはいかない。たとえ一人でも生徒がいるなら指導し運営する覚悟はできた。
命続く限り、理想の教育を追求する』あの日からあっという間に30年が過ぎ去った。正に光陰矢の如し〜である。
想いは実現する…と常日頃から自分に言い聞かせることが大切だ。
36年前に起業したときも、創業前に共同経営の失敗から負債と残務整理からマイナスのスタートをしたようなものだ。自分に非は無くとも、関わったという非を認め他者責任にせず、全て自己責任の所業と思うことで前に進めることが出来た。マイナスからのスタートも今思えば良かったのだ。ビギナーズラックならぬ、起業して全ての事が順調に進めば世の中を舐めてかかっていたかも知れない。家内と出会ってマイナスからのスタートにロマンを感じ、若さも有って我武者羅に進んできた。いま、振り返ると、創業時に家内に約束した大半のことは実現したのだ。
社名のアペックスを決めたとき、梅田のグランドビルの36階から大阪市内を眺めながら約束したことは全て実現した。特に自社ビルを建てるという約束は、市内中央区に狭いながらも8階建てのビルを創業10年目に建てることができた。お陰で借金も膨らんだが…。
そして毎年最低一度は海外に旅する約束は、コロナ自粛を除いて毎年家内と旅を楽しんでいる。航空券からホテルまで自分たちで手配し、現地では全てレンタカーで気ままに自由に旅をするスタイルだから、いろんな人との出会いやハプニングが毎年の楽しみである。世界は広いな〜と実感しながら感動を共有するのが至福の楽しみだ。
私は常日頃から生徒たちにも伝えることがあり、それは[未来完了形]で生きる視点を持って欲しいということだ。
天変地異や、国際紛争、その他の不可抗力の想定までは無理でも、常に[未来]に立って[今]を振り返る想像力を働かせてほしいということだ。
ドラッガーが著した[既に起こった未来]ならぬ、意識を[未来]へ具体的にイメージしながら[今]を観ると、[今やるべきこと]は[未来に立つ]必要不可欠な事象として鮮明に映るはずだ。やがて来る[未来]には、[起こるべくして準備した今]があるから、デジャビュとして蘇るだけである。時間は連続性を持って流れ、時は止められなくとも意識だけは自由に行き来できる。正に[思いのタイムマシン]だ。私は、5年ごとに具体的な自分の[未来]を書いて記すことにしている。そして、10年後、20年後の未来図も書くようにしている。そして強固に潜在意識に刻み込み、日頃の意識をより具体化して行動するようにしている。
不思議なもので、意識が変わると行動が変わり、行動が変わると当然結果[目的]に大きな変化をもたらす。行動の結果の全てには、想いが宿るのである。正に想いは実現するのである。
これまでの歩みの中で、自身の書き留めてきた未来図ノートのところどころに、自身を奮い立たせるための[創作標語]が有り、よく塾生にも伝えることがある。座右の銘とまではならなくとも、自身の苦しい胸の内を真っ向否定するには大いに役立ったので参考までに一部を記したい。
◆出逢いとは
出逢いには善と悪が有る。
自分が善なとき善と出逢い、自分が悪なとき悪と出逢う。
出逢いが人生を変えるなら善なる出逢いを求めたい。
善なる出逢いは、自分の善なる心が全てだ。
◆本気とは
本気で取り組めば過程が変わる。
過程が変われば、結果が変わる。
結果が変われば、人生が変わる。
変わらなければ、本気で無かっただけだ。
◆リスク
リスクを恐れるな。
リスクを取らねば果実は得られない。
リスクは神が試したプロセスだ。
命まで取られない自信が有るならテイクリスクすることだ。
失敗しても命が有るならゲームオーバーではない。
またチャレンジすれば良い。
◆3の法則
まずは3時間集中してやる。
それが出来たら3日続ける。
3日続けば3週間頑張る。
さらに3ケ月継続させる。
そして3ケ月後には別人になる。
◆評価
評価は自分でできない。
他人の評価が全てだ。
評価が気に入らなければ覆るまで努力するしかない。
そして、[未来完了]の視点を持って[今]を一生懸命生きることだ。日々[自問自答]することだ。
アップル創業者のスティーブ・ジョブズが[自問自答せよ]という真意が表れているスタンフォード大学での有名な卒業祝賀スピーチが有るので参考に記しておきたい。
『If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?』
『もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは本当にやりたいことだろうか?』
[次回に続く]
10月も中旬を過ぎて、観測史上最も遅い夏日を記録するほど、例年になく暑い秋となり、寒暖差の激しさから桜までが勘違いの開花をするほど、地球規模で異常な気候が続いています。能登半島の豪雨やフロリダを襲ったハリケーン等これまでの常識を越えた自然災害に人間は無力です。転ばぬ先の杖ならぬ、防災意識と非常事態に備える事は心掛けておこう。
今月の予定
○10/28〜31日 休講(年間調整のため)
○30日(土) 全国テスト
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