師走になり、世間も慌ただしくなってきました。受験生はこの時期の過ごし方と学習成果が、結果に直結する大切な時間です。後悔の無い受験を締めくくる為にも、しっかりと計画を立てて充実した時間を過ごしましょう。また、インフルエンザ等も流行る季節ですので、体調管理には十分注意しましょう。
12月27〜28日に、年内を締めくくる特訓合宿と、各学年の冬期講習の受付が始まっています。受験生は、カリキュラム連動の必修ですが、他学年の生徒も積極的に参加しましょう。受験目前の先輩達の雰囲気を身近に触れる貴重な体験を通じ、年内を有意義に締めくくり、心新たな新年を迎えましょう。
「これからの日本は『本を読む習慣がある人』と『そうでない人』の“階層社会”がやってくる」という人がいる。リクルートでフェローとして活躍され、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんだ。その言葉の真意はどこにあるのか。以下要約してみよう。
現在の「成熟社会」では教養が大切になってくるので、読書をする人と、しない人とでは決定的な差が生じるという。その差は、年収にも及ぶという。例えば、ビジネスマンがゲームやパチンコ等の非生産的な行為の中毒になっているようでは、現実から逃避するために膨大な時間を無駄にしているだけで、時間に対するマネジメント能力が無いと判断される。実際1時間当たりに稼ぐ平均値は、アルバイトは、800〜1000円ほど。ビジネスパーソンは、2000〜5000円。一般的に年収が高いと言われる弁護士や外資系のコンサルタントの様なエキスパートは…と言えば、弁護士で3万円ほど、マッキンゼーのシニアコンサルタントで8万円ほど…。藤原氏曰く、弁護士、コンサルタント、医者等、年収が高いエキスパートで本を読まない人に会ったことがないと…。なぜ彼らは本を読むのか。顧客(医者でいえば患者)の期待に応える為には、最新の情報がなければダメだからだと。つまり、本を読まなければ仕事ができないから…。残りの人生が50年あるとして、起きている時間を16時間として、その人の残り時間は30万時間になり、その30万時間の間に、どのようなインプットをして、どのようなアウトプットをするのかが大切になってくる。換言すると、それが「人生」ってもの…。
では、どうやってインプットすればいいのか。「個人的な体験」か「組織的な体験」の軸があって、もうひとつは「メディアを通じた体験」か「リアルな体験」の軸がある。この4つの体験によって、人はさまざまなことをインプットしている…。問題は、この4つの中からどこにどの程度の時間をかけているかということなんだと…。4つの中で、最も印象に残る体験はなにか。「個人的なリアルな体験」で、仕事や人との出会いなどによってナマで得られる経験による記憶はものすごく大きい。
一方、組織的なメディア体験として、新聞やテレビといったマスメディアからの影響があり、これに触れすぎると弊害もある。例えばテレビのコメンテーターの意見をまるで自分の意見かのように勘違いしてしまうことなど情報を無条件に受け入れ、それがあたかも唯一の正解のように思い込んでしまう。これはとても危険なことなので、私たちは“上手に疑う”ことが必要になる。マスメディアを通じて広告に踊らされたり、コマーシャルの連呼で知らず知らずにあるイメージを刷り込まれたりもします。
では情報に踊らされないためにはどうすればいいのか。個人的なリアルな体験を増やせればいいのだが、人生には限りがあります。すべてを経験することは不可能なので、ある人の経験を擬似的に味わうことが大切です。それが「本」。作品は作家の「脳のかけら」だと。その脳のかけらを、私たちは本を読むことで自分の脳につなげけることができる。人生の時間は限りがあるので、自分が見て体験ができることには限界がある。だから、他人がゲットした脳のかけらを自分の脳にたくさんくっつけることができれば、もっと情報編集力が豊かになる。他人の脳のかけらと自分の脳をつなげる事で、物事の見方を広げる事ができる。多くの著者の脳のかけらを自分の脳につなげることができれば、見方が広がる。そうすると、さまざまな人(脳)との交流も広がり、さらに関係が深くなる。他人と世界観を共有でき、共通点を発見できるので、周囲からの信頼と共感、つまりクレジットが増す。そうすることで味方が増えていく。結果的に、本を読む人と、そうでない人の間には「大きなクレジットの差」が生まれ、その差はどんどん広がっていくのではないでしょうか……。
如何でしたか?限りのある人生…。思いがけない発見や奇跡的な遭遇をする為に、「乱読」して、先人の「脳のかけら」をチャージしよう!!
● 初旬〜学期末テスト
● 中旬〜成績懇談会
● 23日より冬期講習開始
● 26日年内最終授業
● 27日、28日冬期合宿
○ 中3の進路懇希望者は随時、受け付けます。(要予約)