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アペックス便り7月号

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新しいコロナ時代の生活と称して、自粛解除と共に学校生活も平常に近づけるべく稼働し始めました。ソーシャルディスタンスを徹底させる新しい生活に因んで、これまでにない習慣や常識が馴染んでいくのも時間の問題になるのでしょう。夏本番を前にマスクは異様だけど、熱中症の予防も考えながら自己防衛と感染予防が当たり前の生活になるしょう。

人間は不便、不快、不自由を強いられると打開の為の努力も惜しまないから、新しい時代に適応した新産業や新システムが今後も目白押しに出てくるのは必至です。便利だからと流されるだけでなく取捨選択の判断もより高い次元で求められるのも忘れてはならない。リモートでは不可能なコミュニケーションが希薄な社会は、全てが薄っぺらなことに繋がっていかないか…と、杞憂に過ぎないことを祈っていますが。

知の巨人からのメッセージ 〜21Lessons〜

ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史』『ホモ・デウス』に続く待望の新書が刊行されたので、早速通読してみた。前2作も愛読したが、著者によれば本書の位置づけを、「今、ここ」にズームインしたと宣言し、積極的な啓発と提案喚起に満ち溢れている。『サピエンス全史』で人類の過去を見渡し、ヒトというとるに足らない霊長類が地球という惑星の支配者となる過程を詳しく考察し、『ホモ・デウス』では、生命の遠い将来を探求し、人間がいずれ神となる可能性や、知能と意識が最終的にどのような運命をたどるかについて、入念に考察した(著者の本文による)…という流れからくる本作品は、きわめて自然な成り行きといえる。巻頭でいきなり始まる「的外れな情報であふれ返る世界にあっては、明確さは力だ」と言い切る迫力に圧倒され、気付けば21なるLessonsを著者に課題を突き付けられるまま、深く考えさせられるから、現代の諸問題や混迷を彷徨う我々にとっては、正に目前の曇りを払拭する[ココロのバイブル]になり得るぐらい著者の明確さがスッキリと思考回路を正常化してくれる。本書で著者が取り組む現代の諸問題は、21のLessonsと称し、具体的問題を明記し掘り下げ、問題自身の本質や背景を府浮き彫りにしてくれるから、痛快に考察できるのだ。さらに、歴史学者の長期的視点に立った、歴史に学ぶことの意義の力強い確信からくる、現在のあり方が見えてくるだけでなく、未来への新しい展望や可能性が開けることで、我々に勇気や夢を与えてくれる。混迷の時代の混沌の只中にいれば、ヒトはみな不安と狂気に陥り易く、誰もが疑いのない単一の思考を受け容れなくてはならない危険もはらんでいる社会よりは、無知を認め、疑問を提起できる寛容な社会の方が、繁栄と平和に繋がるという著者の着眼は、ある種の啓示と受け入れるべきだろう。又、謙虚さが見受けられる著者自身の人柄も随所に溢れ、清涼感を持って考察することも楽しめ、さらに思考が無限に広がるので、著者自身の言葉の魔力と卓越した比類なき知見は、突き付けられた課題として我々に問いかける。[結局、あなたはどう生きたいのか?]と。

世界中が想像もしなかったコロナ禍の生じる前の年に、既にコロナ後の変化の世界も予見したかの如く、著者は人類の必然と偶然を混同せずに、明確に[21世紀の人類のための21の思考]として、21の多岐に渡るテーマを与えてくれる。最後に、ただ一つ言えるのは、このようなテーマを考えようが考えまいが、行動しようがしまいが、[歴史は目こぼししない]事実だけは、読もうが読まないまでも、知っていても損はないだろう。是非、ご一読を薦めます。

おしらせと今月の予定

※マスク着用と手洗いの敢行を!※

暑いシーズンが到来しますが、教室では引き続きマスクの着用と手洗いの敢行を宜しくお願いします。また、通塾前に体調不良や熱が有るときは、保護者を通じて必ず教室まで事前にご連絡下さい。

今後も、新型コロナウィルスの感染予防への注意喚起と促進を各ご家庭でご指導の程、宜しくお願いします。

●全国テスト実施の件●
指導領域未修の為に6月に実施予定の全国テストを7月中旬頃、延期実施します。日程は後日告知します。

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