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アペックス便り10月号

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お彼岸も過ぎたこの頃、あの記録的酷暑続きの夏も落ち着き、一雨毎にめっきり秋めいてきました。一方、9月初旬に襲った観測史上最大級の台風に、関西空港が高潮や連絡通路に損傷被害を受け、空港閉鎖に追い込まれる事態になるなど、人知を超える自然の猛威の前に、人間が成す術の無い非力さを思い知らされました。続く、観測最大震度を記録した北海道の地震で、全道停電という事態に陥った高度に近代化、都市化された技術の脆弱さをまざまざと見せつけられました。

この災害列島に住み、天災を受け入れてきた歴史を鑑みながら、天災に加えて被害をさらに甚大化させる人災の要素も否めない現実が潜む以上、我々個人レベルでも、危機管理や環境問題を強く意識したいものです。

待望の衝撃の書!「ホモ・デウス」ユヴァル・ノア・ハラリ著

待ちに待った書が刊行された。『サピエンス全史』で人類の過去の物語で驚愕させられ、さらに、著者はこの『ホモ・デウス』で人類の未来を大胆に描いていく。かつて、ノストラダムスの予言なるブームがミレニアムに近づく都度、世間に取り沙汰され賑せた記憶があるが、次元と視点が比類なき論拠で、空恐ろしい説得で迫ってくる。著者はもしや異星人か…と思わす俯瞰と冷静な洞察で、人類のいくすえを、何が待ち受けているのかを、大胆かつ繊細に最新最先端のテクノロジーを交え、予測していく。眼からうろこならぬ、背筋が凍る想いで、まずは上巻を読み終えたところだ。もしかしたら、この書の登場で、言い尽くされた(歴史は繰り返す…)は死語になり、新たに(歴史は進化する…)が妥当と思えるぐらいだ。

自らを「賢いヒト」と名付け、神を生み出し、(認知革命)(農業革命)(科学革命)という重大な人類大転換を乗り越えた人類が、今後どのような筋書きで、「サピエンス」の終焉を迎えていくのかを、人類の今日の歴史は全てかが「虚構」と言い切って論破した前著『サピエンス全史』を凌ぐスケールで予測していくのは圧巻ですらある。

人類の敵で有り続けた、飢餓、疫病、戦争という三つの課題を、人類は克服しつつある今日、新たにアップグレードし、サピエンスをデウス(神)に変えようとするのだ。テクノロジーを駆使して自らを作り替え、創造し、今後不死と幸福と神性の獲得を目指していくのだ。但し、この神のような(力)は、誰もが享受できる訳では無い。想像を絶する生物的格差が出現するのか? あるいは、これまで創造した(虚構)の新陳代謝が機能して、人類にまだ地球支配を可能にしてくれるのか? 秋の夜長にこれから下巻を紐解きながらワクワク、ドキドキ、ハラハラしながら楽しんでいきたい。

皆さんも是非一読して、一緒に語らえれば更に楽しいですね…。

今月の予定

○6日土…オプション講座開講(希望者対象)
○初旬〜中旬…中間テスト
●10月29〜31日の3日間は休講です(年間調整日)
※振替調整のある生徒は担当講師の指示に従って下さい。

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